飲食店とAI (人工知能)について 〜集客とコスト削減〜

飲食店とAI (人工知能)について 〜集客とコスト削減〜

目次

飲食店とAI(人工知能)〜現状〜

飲食店とAI(人工知能)についてだが、まずは現状の飲食店のIT利用の現状を把握しないと語れない。

飲食店側のニーズの高い項目として、「集客」と「コスト削減」無くして語れない。
飲食店への集客施策は、「ぐるなび」のようなポータルサイトから「食べログ」のような口コミサイト、そして更にRettyのような嗜好が似た人達が実名で繋がるソーシャルグラフサービスへ以降している。
しかし、F1層に関しては、既にグルメメディアやGoogleを使わず、Instaglamにアップされている料理写真(ビジュアル)だけで行動が喚起され、お店へ誘引さるという現象が起きている。

  

食べログが2005年3月にサービス開始されてから約10年の2016年初め頃にInstagramの日本におけるアクティブユーザー数は1,000万人。キャズムを超え、1つのパラダイムシフトを起こしている。しかしながら、まだまだ、30代、40代は食べログ利用率が高いですが。。

あと、ここ数年でWEBメディアからのネット予約も進んでおり、集客から予約までをやっとオンラインで完結できるようになった(これもリクルートさんのHOT PEPPER BeautyのCMのおかげかな?)。とても便利な世の中になってきた。
しかしながら、日本は少子高齢化の波が押し寄せる中、集客は二極化しており、半数以上は集客難にあると言われている。理由としては、もちろん飲食店の場所や味、接客など原理原則的なものもあるが、時代背景として情報化社会の価値観の多様化にあると思う。
素材にとことんこだわった料理とホスピタリティを提供する高単価な飲食店と客単価3,000円以下でそれなりに美味しい料理を楽しめ、お腹を満たしてくれる飲食店。この2つのカテゴリが現在勝ち組であり、中価格帯の差別化できていない飲食店は厳しい状況であることは間違いない。
単純に集客メディアに出稿し集客から予約までを対応したからといって安心できる時代ではないということである。

なので、ここ数年、既存顧客を把握し、エンゲージメントを高めるためのリテンションマーケティングの必要性が高まっているが、飲食業界ではまだまだこれからという感じである。
飲食店とAI(人工知能)という掛け合わせで、リテンションマーケティングは実現できるのか?
ちなみにリテンションマーケティングとは、既存顧客との関係を維持していくためのマーケティング手法全般を指す。

飲食店とAI(人工知能)〜インストアマーケティング〜

先に述べた日本の少子高齢化の波が押し寄せ集客難である中、リテンションマーケティングを実施するには?今後どのような対応をしたら良いのか?をここでは述べていきたいと思います。

それが飲食店のインストアマーケティングである。と思う。
インストアマーケティングとは、簡単に言うと「売り場を起点としたマーケティング」である。
最終的にマーケティングが完結する地点、すなわち消費者と製品・サービスが接触する売り場(店頭)を起点としたマーケティングで、店舗内の売り場の効果と効率性の向上を課題とするものである。

以降、AI(人工知能)とインストアマーケティングにフォーカスしていこうと思いますが、その前にやはりその分野の飲食店の現状を知っていただく必要があると思います。
現在、飲食店のインストアマーケティングは未発達であり、まだまだお座なりであり、それに対応した使い易く、コスト負荷にならないサービスがまだまだ少なすぎる感がある。
過去、スマホが普及する以前のガラケー時代には、席にQRコードを配置し、会員登録したらクーポンがもらえる、会計時にQRコードを提示したらポイントが付与されるなどのWEBメディアの施策があったがあまり普及しなかった。その理由として、結局、ユーザーの課題を解決するものでなかった=使う理由がなかったということだったんでしょう。

現状、良い兆しとして、予約台帳とOES/POSが連携することにより、顧客を把握し次回予約につなげる動きが広がっている。そのハブとなっているサービスがTORETA(トレタ)である。予約台帳&顧客台帳を軸とし、食べログやぐるなび等のネット予約連携や大手POSメーカーのオーダー情報の連携も完了し、飲食業界で革命を起こしている注目すべきサービスである。

元々、飲食店の予約台帳管理が紙であったものをタブレットに変えたことにより、煩雑であった予約管理の業務負荷を下げ、間接コストを低減した事は大きいが、更に顧客台帳管理によるリテンションマーケティング機能も実装したことは飲食店にとってはかなりのメリットである。
冒頭で述べた飲食店の2つのニーズ(「集客」と「コスト削減」)に応えたとても良いサービスである。
トレタはあくまで予約データとオーダーデータによるリテンションマーケティングの実施だがインストアマーケティング分野ではまだまだやれることはたくさんありそうだ。

飲食店とAI(人工知能)〜まとめ〜

そもそも少子高齢化は集客の側面だけでなく、アルバイト採用難も招くというか既に招いている。大手チェーン店は既にアルバイト人材が在日外国人であったり、オーダーをセルフオーダー化している。これは大手資本だからできるのだが、個店には難しいのが現状である(イニシャルコストが大きいため)。

そんな中、最低限の接客を残しつつ(人間味を残す)、店内のIT化を進めることにより、人材難であっても業務の効率化を計れ、かつ売上(客単価向上)を上げることができるインストアマーケティングとAI(人工知能)の可能性を次章で追っていこうと思う。