hachidoriの深圳視察!〜深圳行ったらこんなとこ!〜Day2

hachidoriの深圳視察!〜深圳行ったらこんなとこ!〜Day2

目次

屋台でもWeChat Pay

朝ごはんも食べずに出てきたので、屋台で食べることに。知ってはいたが、実際に試して感動しました。なんでもないような屋台でも電子決済が当たり前のように浸透している。Wechat Payまたはアリペイが利用可能。なんなら、現金の方がマイナーで、偽札の多い50元札なんか出そうものなら、必ず透かしを確認して、偽物ではないかどうかを確認される。電子決済なら、それもなくスムーズにいく。
ちなみに買ったのは、肉まんとカルピスのような乳酸菌飲料。普通に美味しかったです。

ジェネシス藤岡さま訪問


突然の相談にもかかわらず、深圳で15年以上ハードウェア製造委託、品質管理代行を手がけていらっしゃるジェネシスの代表取締役である藤岡さまにアポイントを取らせていただき、お会いしました。そこでは1時間ほどお時間をいただき、大変貴重なお話を聞きました。以下、その際にお伺いした内容をまとめました。

なぜ、深圳には日本人がいないのか


日本人がいないことはない。しかし、深圳にいる日本人の多くが駐在員だと言います。
すなわち、日本人が深圳に来て、スタートアップを起業したり、起業までしなくても、ハードウェアのプロトタイプを作りに来るということは、あまりないのが現状。
なぜなのか。
一言で言えば、メリットが少ないから。
我々も含め、多くの日本人は勘違いしているが、深圳でハードウェアのプロトタイプを作るのは、必ずしも適していないとのことです。

なぜ、ハードウェアのプロトタイプ作成に適さないのか

どういうことなのか。
実は、中国の秋葉原とも言われる深圳の華強で売られているのは、非常に安価なハードウェア部品か、または量産できないような規格品のハードウェア製品。そういう意味では、ハードウェアのプロトタイプ作成には向いていそうだが、そうとも限らない。部品が非常に安価であるものの、品質は十分ではなく、プロトタイプ作成中に不具合があったとしても、部品そのものが悪いのか、作り方が悪いのかがわかりづらく、かえって時間がかかることもあるからです。
 

また、中国では、金型の模倣は日常茶飯事で、コピープロダクトが作られることは前提のもとで、開発が行なわれていると言います。そのため、鉄則としては、模倣されやすいハードウェア部分はそこまでこだわらず、模倣されにくいソフトウェアに注力して開発し、差別化することだそうです。

ちなみに、華強で売られている製品はとても安くて、魅力的なものが多かったが、実は多くが越境ECのアリババで売られているものと同様で、華強はアリババでの出品商品の在庫倉庫的な位置づけらしい。

やるなら、腰を据えてやるべき

では、我々が想定していた、深圳はハードウェア製品のプロトタイプ作成に向いているというのは、全くの勘違いだったのか。
そうではない。
ハードウェア部品が潤沢で、安価に手に入ることや、3Dプリンタなどの機器や作業場が提供されるワーキングスペースが多いなど、ハードウェア開発を行うために優れた環境があることは間違いない。
つまり、1年間などのある程度のまとまった期間で、信頼の置ける部品供給元、ワーキングスペースや技術提供などのサポートがあれば、日本で同様のことを行うよりも、効率がいいということだろう。
また、深圳でハードウェア開発を行うメリットの一つは、ワーキングスペースでの交流などから、人脈形成ができる点も大きいと言います。

今、深圳で何が熱いのか


15年近く滞在している藤岡さんに、現在、深圳で何が注目されているのか、聞きました。
電子決済、シェアバイクなどは、日本にいても情報収集できる範囲だが、他はどうなのか。

決済サービスの普及が出前を可能にした

まず一つは、出前。

出前と言うと、日本では当たり前なのだが、深圳ではここ最近になって急速に普及が進んでいると言います。なぜか。
中国は、前提が性悪説であるため、これまでは、出前が浸透しなかった。確かに、出前が成立する上では、売り手としては確実に代金回収ができること、買い手としては確実に注文商品が届くことが前提になるが、性悪説が前提である以上は、担保ができない限り、成立しえないはず。
そこに、wechatペイやアリペイなどの電子決済という仕組みが浸透したことによって、決済における革命が起きた。
つまり、これまでは直接取引であった売り手と買い手の間に、決済サービス会社が入ることによって、エスクロー(第三者委託)が成立し、売り手と買い手にとって、リスクの少ない取引を可能にしたということです。

決済サービスはシェア充電器も可能に

続いて、シェア充電器。シェア充電器とは、スマートフォンの充電器を好きな時に借りることができるサービスです。充電器を借りたい人は、シェア充電器の置いてある自動販売機のような貸出し機で借りることが可能です。貸出し機は、飲食店などの店舗内を中心に、至るところに設置されています。

利用にあたっては、特別なアプリは不要で、すでにアリペイやwechat payと提携しているので、それらアプリからシームレスに利用することができます。
私自身は、アリペイが利用できなかったので恩恵にあずかることができなかったが、アリペイユーザーで、かつ芝麻信用(ジーマしんよう)が600以上の人は、シェア充電器利用にあたって求められるデポジット(100元)が不要になるそう。

デポジットはいいとして、実際の費用だが、1時間1元(2017年11月現在で17円程度)。
当然、シェアリングサービスである以上、借りたシェア充電器は、借りた場所以外のステーションに返却することも可能です。

このシェア充電器も、次なるシェアバイクとして現在急ピッチで普及が進んでいるサービスだが、なぜ今トレンドになっているのか。シェアバイク同様に、性悪説が前提の中国において、このようなモラルハザードが起き得るサービスは成立しなかった。そこに、アリペイ(芝麻信用)やwechat payが登場し、それらはもはや決済手段という役割を超え、個人認証の役割を担っていると言っても過言ではない。芝麻信用はいい例。芝麻信用とは、膨大に蓄積されたクラウド上の個人情報や取引履歴といったビッグデータを解析して算出され、350から950の信用スコアをつけられる個人の信用サービスです。
アリババ本社が位置する、杭州では、人口の8割以上が芝麻信用を利用していると言われ、このスコアが高いことによって、上記のようなメリットが得られることが、中国人の芝麻信用スコアを維持、高めていく動機になっているそうです。

ジェネシス概要

日本のベンチャー企業を中心に、ハードウェア製品の量産受託、品質管理代行などを手掛けている。
ジェネシスホールディングス

藤岡さん、今回は誠にありがとうございました。

銀行口座開設へリベンジ

初日に銀行口座開設を試みたが、Day1の記事で書いた通り、悲惨な結末となった。
調べてみると、どうやら外国人だけで銀行に行っても、言葉が話せないというだけで門前払いになるとか。確かに初日はそうだった…
そこで、地元に住む中国人で、日本語が話せる方に通訳と銀行口座開設を依頼した。お昼過ぎに、深圳大剧院(グランドシアター)駅近辺で待ち合わせをし、合流。
まずは、深圳大剧院駅の近くにあった、交通銀行や平安銀行に訪問。

レセプションでは、初日我々日本人だけで訪問した時とは明らかに異なり、笑顔で対応が始まる。しかし、それもつかの間、日本人が銀行口座開設を望んでいると中国語で話し始めると、銀行員の顔色が曇る。嫌な予感…最終的には銀行員が首を横に振る。どうやら、この2行では外国人の銀行口座開設には条件があるという。1つは中国で仕事をしていること。もう一つは、ホテル以外で固定の住所があることだ。我々はそのどちらも満たしていないため、銀行口座開設ができないという。
その後も、可能な限り銀行を転々とするも、銀行員に言われることは全く同じで、上記2点がクリアできない限りは口座開設は不可能だと言われる。

実は、この深圳視察の直前に、知り合いの方が中国工商銀行で銀行口座開設ができたと聞いていたので、我々はまさかこのような事態になるとは思ってもいませんでした。どうやら、ちょうど私たちが来訪する直前に、中国での銀行口座開設におけるルールが変わり、さらに口座開設の条件が厳しくなったよう…
通訳の方にもこれ以上突き合せるのも悪いし、このままでは銀行口座開設するだけで1日が終わってしまう勢いだったので、我々は諦めることにしました。
その代わり、通訳の方に現金を渡して、その分のお金をWechatpayで返してもらうことに。

絵画の街、大芬村(ダーフェン)へ

銀行回りで疲れた体を休ませた後、我々は深圳随一の絵画の街、大芬村(ダーフェン)へ向かいました。移動には配車アプリ「DiDi」を利用。今日は中国語通訳がいるので心強い、運転手との会話のすべてを任せることができた。
 
DiDiの登録車両は至る所にいるため、呼べば5分ほどで迎えにきてくれる。

車で40分ほど、大芬村(ダーフェン)へ着いた。
 
そこは一面、絵画店がずらりと並ぶ異様で不思議な光景。その場で絵画を描いている人もいて、見ているだけでも楽しむことができました。
ただ、絵画自体は、同じ被写体が所々に散在していた。どうやら、被写体のサンプルのようなものがあって、みんなそれを元に描いているのだろう。
手ぶらで帰るもなんだったので、オリジナルで描いている風景画の小さめの油絵をお土産に買った。
 

2日目も家電街「華強」へ

 
すでに17時を回っていたので、ここで通訳の方とはお別れし、我々は最後に華強へ向かった。非常に広く、昨日だけでは十分に散策できなかったこともあり、再訪問。
ただ、華強の建物は意外にも早くクローズする。建物によって営業時間は違うが、19時で閉まり始め、20時にはほとんどのお店がクローズする。この日も、1時間ほどしか時間は取れず、IoT家電購入+社員へのお土産購入は最終日までお預けすることに。

これにてday2は終了。
day3に続きます!